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スポポリリズムVOL.10 その5
(承前)

書いてたらTUTU HELVETICAについての話がどんどんそれて相対性理論の話になっていったので、そっちの話は次回の相対性理論に使うことにして、ここではTUTU HELVETICAの話だけ。

つまりは相対性理論は、吉田アミの言った「創作物連鎖」のルールを更新するバンドなんじゃないかという話で、TUTU HELVETICAはそういう関係性よりも要素自体を更新するのではないかという話。

受け手が受け方を創造できるなら、やくしまるえつこの活動は、相対性理論でもTUTU HELVETICAでも、ものすごくいいテクストになりますよ。
そうなってしまえば他の人と同じものを見て、そこで他の人よりもどれだけおもしろいことが言えるか、違った見方を提示できるか、そこがいちばん重要。
作った人はこう考えているはずだとひとつの答えを探したり、これはこう聴かなければいけないと言ってみたり、そんな受け方はほんとナンセンス!

だからTUTU HELVETICAでも相対性理論でもメンバーがすでに受け手2.0だと思うんですよ。
創り手としてよりもまず受け手として新しいルールを身につけている。

今のところTUTU HELVETICAのほうが、このどれだけおもしろいことが言えるかという傾向が強いように感じます。
TUTU HELVETICAを聴いているとやっぱり過去の要素とかモチーフの流用、ネタとしての引用みたいなのがたくさん含まれているような気がします。
やくしまるえつこの世界をそのまま出してもかたちにはならないから、似ている部品や互換性のある部品で組み立てる。
新しい概念を語るのにも言葉が必要なんだけど、その言葉は古い概念の古い用語体系から借りてくるしかないという話。

つまりはTUTU HELVETICAは、まず「やくしまるえつこ」の世界をやくしまるえつこの外側に作り出している。
または作り出そうとしている。
そのために、既存の要素を「やくしまるえつこ」というコンテクストに従って解釈する、並び替えるという方法をとっている。

だからTUTU HELVETICAってまだどれだけおもしろいことが言えるか、という段階にあると思うんですよ。
ここからさらに進んで、「やくしまるえつこ」の世界を語る新しい言葉を手に入れることができるかどうか。
そこからもっと進んで、この言葉が新しい概念を語る言葉として一般化できるかどうか。

TUTU HELVETICAは革命を起こしますよ。
えつこさんほんと革命少女だよね。


TUTU HELVETICA編、やっと終わった!


つづく

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スポポリリズムVOL.10 その4
(承前)

つまりは「やくしまるえつこ」というキャラクターがどのように捉えられているか、捉えることができるのかという話。
今までの活動を見てるとやくしまるえつこ像の作り方、受け取られ方がそれぞれに違っているのではないかと。

自分で自分のことをまったく語らずに受け手の想像と妄想にまかせたのが相対性理論。
自分の存在を消してsimの世界を変換する機械として機能していたのがsim+やくしまるえつこ。
「やくしまるえつこ」というキャラクターだけを素材として提供して、外部の人に語らせることでキャラクターを立てようとしたのがおやすみパラドックス。
声だけを素材として提供しているのがCMソング。

こういう活動に比べるとTUTU HELVETICAではずいぶんと自分のことをしゃべっているな、という印象。
「わたしってこういう人だから」ではなくて、自分には世界がこう見えている、ということを話していて、その集合が「やくしまるえつこ」という像を結ぶ。
自分自身を客観視した態度。

これっておやすみパラドックスでやってくるんじゃないかと予想したことなんですよ。
キービジュアルだけを公開したときに、初音ミクと同じことを狙っているんじゃないかと思って。
もしかしたらボーカロイドETSUKOが誕生するんじゃないかと期待していたのですがフルカワミキに先を越されたのが残念。
ただおやすみパラドックスは、歌詞を眺めてみると映像でも言葉でも意味や脈絡よりもイメージとかモチーフでつなげていくところがやっぱりティカ・αで、それがやくしまるえつこの視界と重なるとすればTUTU HELVETICAに近いのかもしれないけど、音が新しいキャラ付けをしていないような気がするので近田春夫と高橋幸宏の狙っているところがこっちの予想とはもともと違っていたような気がします。

おもしろいのはsim+とTUTU HELVETICAでやくしまるえつこの役割が逆転していることですね。
sim+ではsimの音楽を入力したらやくしまるえつこが変換して出力してたんだけど、TUTU HELVETICAでは大島さんと真部くんに自分の世界を変換してもらっている。
だからこそやくしまるえつこの自分語りに聞こえるのかなと。

やくしまるえつこはこれまでの歴史を総括して新しいアイドル像を提示するんじゃないか、とたしかsim+のときに言ったような気がするけど、あたってるようなはずれてるような、TUTU HELVETICAはもう少し斜め上を行っていると思います。

やくしまるえつこは間違いなく新しいテクストになりますね。


つづく

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スポポリリズム Vol.10 その3
(承前)

今回のライブには知ってる人が何人か来ててやっぱり来てたんですねーとか言ってみたりやくしまるえつこ?とか聞かれるからええそうですすいませんほんとすいません!とか開き直ってみたりしました。
久しぶりの人もいたのでTUTU HELVETICAはダンサブルでテクノポップなアプローチが最高だったよね!ぎゃはははは!とか言ったらださださですよとか言ってていやそこがいい。

初めてTUTU HELVETICAのライブを見た印象としては、これはやくしまるえつこの脳内に直結した音楽だし、だからそこにいるやくしまるえつこはTUTU HELVETICAのやくしまるえつこだし、もしかしたら過去の文脈を書き換えるかもしれない。

今回の編成では大島輝之さんと真部くんがサポートに入ってました。
あとMacBook。
大島さんのギターって崩れているように聴こえても淡々と細部まできっちりと神経はってすべての音に意図をこめて楽譜通り設計図通りに完璧に再現するような演奏。
真部くんも今回はキーボード使ってて、こちらもベースを弾いてるときとは違って音に生っぽさみたいなのを感じない。
MacBookは記録された音を流しているだけ。
だからどちらにしても音と演奏者の体、というかその場の感情とのつながりが弱いんだと思います。

ここでTUTU HELVETICAがなにをやっているかというと、やくしまるえつこの世界を変換して他の人にも理解できるかたちにして出力してるんですよ。
ひとりですべてが思いのままにいくのならひとりでやればいい。
でも悲しくて悲しくてとてもやりきれないからこのやるせないもやもやを誰かに告げようかってなったときに、自分の技術ではできないかもしれないし、そもそも自分ひとりではわかっているけれども他の人から見たらわからない、つまりは自分の世界を変換することができないかもしれない。
だから今回は大島さんと真部くんを呼んできた。

ステージを見てると完全にやくしまるえつこの主導で動いてたような気がするし、やくしまるえつこの世界を変換して出力するのがTUTU HELVETICAというユニットならばサポートメンバーはそのときどきで変わったっていいし、メンバーが流動的だという狙いはそこにあるんじゃないかと思うわけですよ。
やくしまるえつこがソースでサポートメンバーがコンパイラで1曲1曲がバイナリコード、ぜんぶまとめてTUTU HELVETICAというディストリビューション。
誰がいるかでまったく音楽が違ってくるところをおもしろがってるような気がします。

そうするとTUTU HELVETICAのやくしまるえつこって今までの活動のどれよりも自分語りしてるかもしれません。


つづく

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スポポリリズムVOL.10 その2
(承前)


ステージ中央にえつこさんが立ってひとつの言葉もなく開演。

ヒッチハイクじゃどこにもいけないファーストクラスのチケットとれないらんらんらー
1曲目からよつうちにシンセでメロディーのせて言葉を早口でつめこんだ曲。
大島さんのギターはsimやcircuit unconnectionとはまったく違ってて、12/5のやくしまるえつこ+大島輝之にもう少しだけなにかをプラスしたような、淡々としていなくて意外とぎゅんぎゅん鳴らしてるように聴こえます。

2曲目はえつこさんの語りの曲。
というか2曲目と3曲目はもしかしたら逆かもしれません。
このあたりは混じっていてよく思い出せないのがほんとのところ。

得意のポエトリーリーディング。
演奏はリズムとかベース音を強調しているのにえつこさんの語りはまったくそのリズムにもメロディーにものっていかずに意味や脈絡があるのかないのかわからない言葉を発しているだけ。
最後にびしっと「はじめまして、TUTU HELVETICAです」
ここのきめかたは鮮やかでした。

やると思った。
こういう曲は作ってくると思ってた。
残念なことにその考えを公表するということをしなかった。

この曲の、たぶんできふできで言ったら平凡な曲ではないくらいのできはまさかTUTU HELVETICAこんな曲を作ってくるのかと思いこれは少なくとも音源でたら即買いレベルだと思います。
しかもこの曲が自己紹介なら今のTUTU HELVETICAは初音ミクのごく初期の段階のようにまだ自己言及的な曲を作る段階にあるのかもしれません。

3曲目はへろへろのシンセとよつうちで明らかにテクノポップっぽい仕上がり。
Perfumeとか80年代テクノポップを聴きながら作ったのかもしれません。
シンセのフレーズは少しエスニック風味。
西洋音階で作ってないのかも。
このフレーズとか和音の入れ方とかは久石譲が好んで作りそうな曲です。
ぽにょぽにょ歌いながら作ったのかもしれません。

ここまでの曲でかなりテクノポップでダンサブルなアプローチを見せているのにステージの上は限りなく低体温な感じです。

4曲目は12/5の試聴室で聴いた曲。
やっぱりTUTU HELVETICAの新曲になりました。
この前はちょっとネタにはしりすぎたことを反省。

3曲目まではどちらかというとタイトな感じになってたのでゆるめの3拍子でひといき。
そのあとは「天秤座の人、気をつけて」の後で一気に加速して5曲目。
なにを歌っていたのかよく覚えていないのですが、おそらく那須で「僕は君の最高の片思い」と歌っていた曲と同じではないかと。
ただこれ「僕は君の最高の片思い」ってかなりの自意識過剰ですよね。

歌詞のことを言えば「10秒間だけ恋をする」と歌っていたように聴こえたんですよ。
このフレーズで思い出すのはフリッパーズ・ギターのカメラ!カメラ!カメラ!。
あの曲では3秒間だけだったけど10秒まで伸びました。
技術力の勝利でシャッタースピードが自由自在な感じです。

最後はTUTU HELVETICAだけではなくてsim+や+大島輝之でもおなじみのwell-known blueberry。
この曲は、大島さんのギターとか真部くんのキーボードとかではなくて、パソコンの鳴らしてるリズム自体からsimっぽいアレンジになってます。
もしかしたらトラック本体は12/5と同じだったのかも。


初めての東京でのTUTU HELVETICAライブ、すばらしかったと思います。
近いうちに渋谷クアトロを熱狂の渦に叩き込むと思います(ZEPP TOKYOはまだ無理じゃないかと考え直した)。

ただ、こちらが興味があるのはTUTU HELVETICAがなにをやろうとしているのか、目的を持っていないとすればなにをやってしまうのか、そしてそれがどのくらいのインパクトがあるのかっていうそこなんですよ。


つづく

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スポポリリズムVOL.10 その1
2009年12月14日(月)

東京の人にははじめまして。
那須に見に行った人にはあらためまして、はじめまして、TUTU HELVETICAです。

TUTU HELVETICAの東京での初ライブを見にスポポリリズムVOL.10 SPOTTED YEAR-END PARTY 2009に行ってきました。
映画配給会社のSPOTTED PRODUCTIONSのイベントです。
この前の東京国際映画祭のある視点部門でSPOTTED配給のライブテープが作品賞をとったので公開記念だったり受賞記念だったりただの忘年会だったりそんな感じ。

あんにょんキムチの頃から松江哲明はこのぐらいはやると思ってた。
童貞。をプロデュースもあんにょん由美香もSPOTTEDだし、その他にはデメキングとか冨永昌敬のシャーリーの好色人生と転落人生とか。
相対性理論はデメキングとシャーリーの公開記念イベントに出演してましたね。
たしかに真部くんが好きそうな映画を配給している。
でも配給会社の話をすれば、こちらはSPOTTEDよりもクロックワークスをよく見てるんだが。

当日は諸々の用事で開演には間に合わず、8時頃に渋谷LUSHに乗り込みました。
入ってみると転換の最中。
武蔵野コード進行研究会(長尾謙一郎×大橋裕之+α)とP.O.P.ORCHeSTRaは終わっていたようです。
もしかして間に合わなかったか、と思ったのですがセッティングを見てるとどうもこれからTUTU HELVETICAが始まる雰囲気。

ステージ中央にはマイクとテーブルが置いてありテーブルの上には見慣れた白いMacBook。
向かって左では大島輝之さんが椅子に座ってギターのセッティング中。
大島さんはsimのときのギターではなくてストラトキャスターっぽい黒いギターを持っています。
右手には真部くんが座ってKORGのキーボードをいじっています。

今日のTUTU HELVETICAの編成は3人。
那須のライブではやくしまるえつこ+コンピュータだったそうですがにぎやかになりました。

やくしまるえつこ(vo. & comp.)
大島輝之(gt.)
真部脩一(key.)

この3人は納得の大本命。
今回は3人で出演の予定と聞いたときに予想したメンバー。
ただ那須のときはセットをかなり作り込んでたと聞いていたので、そういうライブをするのならもしかしたらOptrumが来るんじゃないかと思っていたのですがやっぱり大島輝之さんでした。
大穴で近田春夫っていうこともいちおうは考えてましたよそういうことも頭をよぎった。

真部くんが椅子に座ったところでSEがかかり、えつこさん登場。
一言もなく演奏がスタート。
タイトルもわからないし曲順も間違ってるかもしれませんがとりあえずのセットリスト。

1.ヒッチハイク
2.はじめまして、TUTU HELVETICAです
3.(よつうちでへろへろシンセが入った曲)
4.君にビタミン(12/5の試聴室の曲)
「天秤座の人、気をつけて」
5.10秒間だけ恋をする
6.well-known blueberry
「ばいばい」

曲のタイトルは適当につけたので正しくもないしかといって間違ってもないです。
正式に音源としてタイトルが発表されていないので、こちらとしてはタイトルはある特定の曲のことを指しているのだという共通の認識がもてる記号として機能すればそれでいいんです。

那須でのライブは3曲だったそうで、well-known blueberryの他に「ヒッチハイクじゃどこにも行けない〜」という曲と「僕は君の最高の片思い〜」という曲をやっていたそうです。
その不明の2曲はおそらく今回の1曲目5曲目だったんだと思います。


つづく
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TUTU HELVETICAがすごいことになっていた
渋谷LUSHにTUTU HELVETICAが出演するスポポリリズム Vol.10を見に行ってきました。

シークレットゲストなのにぜんぜんシークレットじゃなかったわけですけれども!
堂々とばらしたナタリーもCINRA.NETも愛してる!

今日のTUTU HELVETICAの編成は、
やくしまるえつこ(Vo., Comp.)
大島輝之(Gt.)
真部脩一(Key.)

相対性理論にはなかったテクノでダンスなアプローチ(笑)が近いうちにZepp Tokyoを熱狂の渦に叩き込むと思います。

やくしまるえつこの脳内に直結した音楽ですよこれは。

TUTU HELVETICAはこれからポップのコンテクストを書き換えるのではないかと!
まだその入り口にいるような気がするけれども!

TUTU HELVETICAおもしろい!

くわしい話はまた後で。
たぶん今週末にはアップできると思います。
遅くても26日の渋谷クアトロまでにはなんとか。
地味に年末進行。
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