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相対性理論のシンクロニシティーンを聴く その5
シンクロニシティーンもほったらかしだったので強引にでもオチをつけておかなければ。

シンクロニシティーンの収録曲には統一性がなくてばらばらだと書いた覚えがある。
ただ、否定的な文脈で使われることが多い「統一性がない」という言葉はシンクロニシティーンにおいては褒め言葉にしかならないのではないかと。
むしろ統一性のなさは狙っているような気がする。

カート・ヴォネガット・ジュニアのスローターハウス5にトラルファマドール星人という宇宙人が登場する。
そのトラルファマドール星人が主人公に言ったセリフを長いけど引用。

「トラルファマドール星には電報というものはない。しかしきみの考えはまちがってはいない。記号のかたまりは、それぞれやむにやまれぬ簡潔なメッセージなのだ−−それぞれに事態なり情景なりが描かれている。われわれトラルファマドール星人は、それをつぎからつぎというふうでなく、いっぺんに読む。メッセージはすべて作者によって入念に選びぬかれたものだが、それぞれのあいだには、べつにこれといった関係はない。ただそれらをいっぺんに読むと、驚きにみちた、美しく底深い人生のイメージがうかびあがるのだ。始まりもなければ、中間も、終わりもないし、サスペンスも、教訓も、原因も、結果もない。われわれがこうした本を愛するのは、多くのすばらしい瞬間の深みをそこで一度にながめることができるからだ」

つまりはシンクロニシティーンってこういう話なんじゃないですかねって思ってる。

でもシンクロニシティーンがトラルファマドール星の電報になりえないのは絶対の時間軸があるからで、3分の曲だったら聴くのに3分かかる。
早送りすれば1分くらいで聴けるけど、作ってるほうが3分の曲を聴かせたいと思えば3分かかる。

例えばこれが1冊の文庫本だったら人によって、または内容によって読む速さが違うという話になっる。
作り手と受け手がどこまで時間をコントロールできるかといったときに音楽は作り手と受け手の時間が一対一で対応してる。

時間軸があるということは順番があるということで、最初の音から始まって次の音次の音という聴き方にしかならない。
本という形だと時間軸がそんなに厳しくないから、話がつながらないということはあっても、順番はけっこう自由に読める。
これが電子書籍になると読むときにページの順番を意識しないといけないのでやや不自由になる。

ただシンクロニシティーンは時間軸はあるんだけど、統一性がないからアルバムが曲単位に分解されて、聴く順番を制限していないような気がする。
なのでシンクロニシティーンは解体されること、並べ替えられることを意識して作られていて、この曲順がベストだとしても他の順番でも大丈夫な気がする。
いつもアルバム単位で聴いてるので順番を変えてどうなるかは試したことないけど。

つまり曲順の可能性は11!=39916800通り!
まるでエンドレスエイト!
でも1曲目はシンデレラだし2曲目はミス・パラレルワールドだし最後はムーンライト銀河で確定だとは思う。
やっぱり導入のシンデレラでおそらく2人が登場して、ミス・パラレルワールドで「わたし」が「暇ならわたしと来て」って歌った後に、暇じゃなくても行くってわかってるくせに、ムーンライト銀河で「短気なあの子」が「今夜は暇?って チャイムを鳴らす」んです。
この最初と最後で視点が転換してるところがすごく鮮やかに決まってるしものすごく粋なんですよ。

だからシンクロニシティーンはまったく意識してませんでしたって言うにはやっぱりできすぎていると思うんだけどどうかな。
ただ問題はここがいいんだよって言った時に本人たちが意識してないかもしれないことで、まったく考えてなかったけどね、勝手に深読みしてんじゃねーよって話じゃないですか。
でもすごいすごいって騒がれてても、意識してないとか考えてないとか実は知らないっていうのはけっこう簡単にばれるんじゃないかなとは思ってる。

相対性理論の場合は自分たちからはほとんどなにも言わないから表に出ないだけで、前々からものすごく意識的で自覚的なバンドだと思いますよ。
そうでないバンドがハイファイ新書やシンクロニシティーンを作れるとは思えない。
相対性理論 comments(3) trackbacks(0)
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Comment








ラフォーレ観に行きました。最高でしたよ!

観に行かれたのでしたら、記事を楽しみにしております。
from. ひろし | 2010/10/01 03:48 |
SHIBUYA-AX観に行きました。最高でしたよ!

観に行かれたのでしたら、記事を楽しみにしております。
from. ひろし | 2010/12/06 02:00 |
>ひろしさん

コメントありがとうございます!
しばらく不在にしておりブログの更新をお休みしていましたが、再開します。
来年もよろしくお願いします!
from. 唐須 | 2010/12/29 16:44 |
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