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「いいにおいのする部長」@渋谷クアトロ その2
 開場時間をだいぶ過ぎて到着するとフロアではすでにDJみさこがアイドルものの曲をかけていました。DJみさこは最後まで転換時に曲をかけていて、なにげなく適当な選曲をしているように見えてOverTheDogsの前には邦楽ロックを、Vampilliaの前ではサウンドホライズンをかけるとか、進行方向別通行区分の前にはCDに合わせて歌っていたような気がしますが、次に出てくるバンドに合わせた選曲をしていました。Vampilliaの前にサンホラはおもしろい組み合わせですよね。ストーリーと演劇性があるという類似性。

 DJみさこがかけていた曲を聴くとこの人の背景にはたぶんそのときどきの流行りのJ-POPとかJ-ROCKがあって、尖った趣味を持っている人、要はアンダーグラウンドとかアヴァンギャルドな人ではないんだと思います。70年代はもちろん、ださくて今となっては笑い話の80年代にもほとんど触れたことがなさそう。身近に流通している情報がすべてで、そもそもそういう文化、ときたま健全でないとされる文化、に触れる機会がほとんどなかったからこうなったのかなという気はします。しかもたぶんみさこは人の知らないことを知っているほうが偉い、レア物を持っているほうが偉い、というオタク的な文脈の外にいる人なんじゃないか。

 そういうみさこの趣味はきわめて妹的だと思います。つまりみさこには、お兄ちゃんが好きだった音楽が好きですという雰囲気があって、実際にお兄ちゃんがいるのかどうかしらないけど、お兄ちゃんが軽音部でバンドやっててその影響でドラムをはじめましたって言ってもなるほどねーって納得しますよね。実際にどうかはしらないけども。例えばこれがどういうことかというと、あんまりいい例が思いつかないけども、お兄ちゃんの部屋の本棚から朔ユキ蔵の「少女、ギターを弾く」を勝手に持ち出して、何日かあとに「お兄ちゃん、少女、ギターを弾くおもしろいね!」って言いそうなのがみさこ。ただ、自分の部屋の中に大量のエロゲを隠していたりはしない。

 触れる機会がなかった結果で形成された趣味、そして知識のアンバランスさ、これが今のところみさこに対するイメージ。ここがどうしても神聖かまってちゃんのイメージとかぶってしまう。つまり郊外っぽさ。

 神聖かまってちゃんは背景に郊外の住宅地やニュータウンの閉塞感を強烈に感じます。の子の書く詞でもそれが共感されて受け入れられてしまう点でも、いまいち蓄積が感じられない点でも、ニュータウンっぽい。ナタリーのインタビューでの子を千葉ニュータウンに訪ねていったと書いてあって、ここで気づいたんですね、神聖かまってちゃんに感じるのは郊外的な、ニュータウン的な閉塞感なんだなと。大友克洋が童夢で描いた崩壊につながる閉塞感。郊外が舞台のアメリカ映画に通じる閉塞感。の子は天才だと思いますがそういう郊外っぽい雰囲気はこちらには苦しすぎる。

 そんなみさこが後半で歌いはじめたときに、その姿が最近の扱われかたとぴたっ!とはまって、地下アイドルみさこの輝きが見えたんですね。メジャーデビューしたといってもやっているバンドは明らかにサブカルにくくられるし、NHKに出たといっても一般的に広く受け入れられるかというとおそらくそうではない。コスプレもできて、クイックジャパンではたしかレオタード着たりしてたし、SPOTTED PRODUCTIONSが始めたMOOSIC LABのイメージ写真ではナース姿だった。

 ここでもうロフトプラスワンの深夜にコスプレして歌い踊るみさこの姿がはっきり見えたわけです。夏の夜のみさこナイトがすでに見えちゃったわけです。あかるさんに強力なライバルが出現したなと思って。

 さらにこういう扱われかたってそういったサブカル業界のおじさまたちにかわいがられてる感じがあるじゃないですか。みさこは妹系と先に書いたけども、業界のお兄さんたちがいろいろ教えてあげようねっていう状態。やっぱりみさこみたいな素直そうであまり知識のなさそうな雰囲気はあるし、メジャーでバンドやってるといっても演奏技術が高く評価されているわけでもなく、音楽的な才能にも言及されていない。少なくともこちらではみさこの音楽的な評価を寡聞にして知らない。やっぱりみさこのようにおじさんたちの劣等感を刺激しない、むしろ優越感を与えそうなタイプはかわいがられるのかもしれません。

 ここまでくるとやっぱり地下アイドルとしての人気が出るように思うのですがどうでしょう。実際にやるかどうかはおいといて。DJの最中にギターボーカルを募集していますと言っていたバンド(バンドじゃないもん!)も活動を始めるようですし、かまってちゃん以外でも見ることが多くなるんじゃないですかね。

 DJみさこ以外は駆け足で。


つづく

(2011年1月31日)


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