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「いいにおいのする部長」@渋谷クアトロ その4
 なんだっけ、音楽における世界観と物語性の話。

 思い出してみれば1980年代から90年代にかけては世界観と物語性を持ったドラマチックな曲が多かった気がします。バンドとか歌手もものすごくはっきりしたコンセプトを持っていたのじゃないでしょうか。だからたぶん80年代アイドルとかバンドブームを見るとやっぱり芸能界に入って売れていくという物語を作品ではなくてその人に感じますよね。まあ80年代の音楽とかちょっとリアルタイムでないのでよく知らないんですけど。やっぱりバブルとか昭和とかはよくわからないかな。

 冗談はさておき、例えば戸川純はそうだと思うんですよ。強烈な世界観と物語性。バンドだと聖飢魔IIとか、アイドルだと中森明菜とか。そしたらたまもXもそうだっていう話になるしチェッカーズは常にチェックを着てたとかそういえばヒカシューは確実に演劇性があるとかよく知らないけどバービーボーイズもそんな雰囲気を醸しているとかむしろ80年代は世界観と物語性がない音楽のほうが珍しいのかもしれません。アニソンだってそのアニメのためのオリジナルだったわけで、今よりも音楽に世界観を前面に押し出していたような気がします。そのために今になって聴くとださいとかこの匂いは受け付けないと言われるようになったのでは。まあ80年代とか90年代前半とかほんとに知らない時代なんで、聞きかじりとかドラム型洗濯機に入ってみたとかそういうところの話しかできないんですけど。

 冗談はさておき、いつの頃からか匂い立つくらいの世界観や物語性が薄まっていったと思っていたら、気がつかなかっただけでそんなバンドは意外に多かったのかもしれない。ここで言ってる世界観ってそれはバンドの雰囲気とはまた別のことで曲の中に風景があって人物がいて光があって匂いがあってってそれが曲の世界観。最近だとキノコホテルがそれっぽい気はしてます。確実にそれを持っているのはヴィジュアル系と呼ばれるバンドで、そもそもそういった魂的なコンセプトがないとヴィジュアル系と呼ばれないんじゃないですかね。DJみさこがかけたサンホラは世界観と物語性を持っているとはいっても80年代バンドとはちょっと進んでいる方向が違うというかバランスが少し違うというか。ただ昔の音楽だからいろいろなメタ情報がついてそのせいで世界観があるように見えている可能性もなきにしもあらず。

 もしかしたら世界観を感じさせるには歌詞も重要かもしれません。歌詞が共感を得て大ヒット!という話が至るところにあるように、売れる理由がそのくらいしか思いつかないところに発想の貧困化、ステレオタイプ化を感じてしまいますが、つまりは歌詞の中の視点、感じる主体が「ぼく」から「ぼくたち」に変化すると世界観が出せないのかなと。もしくは歌っている実際の「わたし」と曲の中の「わたし」が一致してしまう人。実体験を歌詞にしましたとか。なので特殊な視点とか言語感覚を堂々と出してる人、もしくは「わたし」を完璧に作り事にしてしまう人って少ないのかも知れないですね。だから神聖かまってちゃんのの子が歌うような、極めて個人的な歌詞が共感できるとされていることが少々不思議ではある。

 物語という点で言えば、曲の物語性を突き詰めると演歌になるような気がするんですよ。そういう自分語りみたいな。そこが共感されるかどうかはおいといて。中森明菜が「わたし少女A」って歌っていたけどもその曲中の「わたし」は誰ですか?となったときにそれが実際の「わたし」になると80年代的な世界観、物語が出せる気がします。この方向が逆になると、つまり実際の「わたし」が歌詞の中の「わたし」に反映される関係になると最近のJ-POPになる。

 だいたい音楽のどこにどういう世界観を感じるとかが曖昧すぎるんで、そもそもこの音はなにっぽいとかなにを思い出すとかそういう話になってその受け取りかたは極めて個人的な結びつきによって大きく異なるがゆえに一般論にならずよくわからないという話になるじゃないですか。こうすると中華風のメロディーになりますよ、このリズムでモータウンっぽくなりますよ、とかそういった確実な関係もあるけどもこのフレーズをこの音で弾くと昔アラブの偉いお坊さまが出てくる、とかその関係はかなり怪しい。

 つまりは音が記号になってるの?っていう話で、いわゆるマンガ記号に相当するフレーズやリズムがあるのかという話。たぶんその記号の使い方とか関係性っていうのが世界観を出すのに重要な気はしてるのですが考えるのもめんどくさい。言葉であれば発音が悪くても通じたりとか文字であればかなり字が下手でもその文字として読めるけどもサンバのリズムを崩したら盆踊りになるかもしれず、そのあたりの高度な抽象化が音楽ではできないとかそれっぽいことを言っておこうかな。ていうかそういうこと考えるのってたぶん現代音楽で新しい関係性を発見しようとすると実験音楽とか前衛音楽とかそっちになるじゃんね。

 終わってから時間が経つとライブがどうという話にならなくて困る。

 次に出てきたVampilliaは世界観と物語性をばっちり突き詰めたバンドだと思います。

 つづく


(2011年2月3日)
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